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コンクリート

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コンクリート

  • RC造はもちろん、木造住宅でも基礎などに使われるコンクリートを形成する施工には、十分な配慮が必要です。
  • 鉄筋コンクリートの施工は工程管理・材質管理・養生、及び施工に携わるメンバー同士の打ち合わせ・会議などによる意思の疎通もとても大事になってきます。
  • コンクリートはセメントと水が化学反応を起こして硬化する流動物で、施工方法による品質の差が激しい工法であり、難しく手間のかかる工程作業です。
  • 本来ならばコンクリート打設作業はもっと根気のいる作業ですし、手間(労力)を掛けなければならないものです。
    • 現在は作業時間の短縮目的と機械・道具類の発達により、ワーカビリティー(作業効率性)を重視したスランプの大きい軟らかい生コンを使用する場合が多いです。
      軟らかい生コンは材料の分離が生じやすく、粗骨材が下部に沈みやすい。又、軟らかい生コンほど密度が小さくなります。
  • コンクリートは水セメント比が小さいほど強度が増します。単純にいえば、水の割合が少ないほうが、セメントとの化学反応による水和結晶が密実になります。

スランプ値が小さくともジャンカは防げる

  • スランプが小さく硬い生コンは確かにワーカビリティーに難がありますが、打設時の適切な振動による流動化及び締め固めによりジャンカを防げ、密実で強固なコンクリートを形成することが出来ます。何事も手間を惜しむと良いものができないということでしょうか。
  • 型枠は散水あるいは専用の剥離材を散布し、打設時の生コンの抵抗を少なくして、打設の時に生じる余分な空気を排出しやすくし、コンクリ表面などのジャンカ(注1)の発生を防ぎます。
  • 又、型枠及び鉄筋は、打設の時に余計な揺れが生じないようガッチリ組み込まなければなりません。結束線での鉄筋の結束は鉄筋廻りの生コンを良好な状態に保つため (余計な揺れ・しなり等によって鉄筋廻りをシャブ付かせないため)、 もちろん全結束です。(注2)
  • 硬めの生コンですので、ポンプ車への圧送はゆっくりめで、ポンプ車からの圧送速度もやや遅くして詰まらさないようにしなければなりませんし、もし詰まった場合のコールドジョイント対策(注3)も事前に協議・検討しておかなければなりません。
  • 打設時の「バイブレーター」(注4)と型枠への「たたき」もジャンカの防止に重要です。
    特に隅・角はジャンカが生じやすいところですので気をつけなければなりません。
  • バイブの使い方も注意が必要で、浸入させる間隔はこまめにしないと一部分にセメントペーストが集まってしまいますし、ゆっくり引き抜かないといけません。
    • 隅・角はバイブを先に放り込んで、その後に生コンを注ぎ込んだほうがよいでしょう。たたきもコツがあり、要領悪くすると余計に気泡を作ってしまうので注意が必要です。
  • 充填したコンクリ面の踏み固めや「どん突き」(注5)によるたたきも、コンクリを締め固めるために大変重要な作業です。

  • 長期にわたって、ひび割れの少ない耐久性のあるコンクリートを造るには、水セメント比及び単位水量をできるだけ小さくします。
  • コンクリート中の水気が多いほど水分が蒸発し乾燥収縮量が大きくなりますのでひび割れが生じやすくなります。
    又、乾燥収縮は単位セメント量はあまり影響がありませんが、コンクリート表面のセメント量と耐久性のために、不足しないよう単位セメント量を一定値以上にします。

打設後の養生

  • コンクリートは与えられた環境により大きく強度が変わってきます。
    ほぼ何もしない空気養生より湿潤養生のほうが強度が出ます。
    コンクリート中の水分が蒸発すると強度が低下しますので、放置したままだと、水和が構築されなければならない期間での必要な成分(水分)が徐々になくなって行き、硬化(水和結晶)が密実にならないからです。
  • 床・スラブなどは水を溜めた冠水養生(水中養生)をし、壁あるいは布基礎などの部分は打設後にシート養生、型枠を外した後に散水による十分な湿潤養生をした上にシート養生(注6)をします。
  • コンクリートの硬化(水和作用・水和結晶の構築)は、1~2週間ほどの活発な初期硬化の後、時間を掛けてゆっくり進むので、型枠を外した後1週間、できれば2週間は湿潤養生を行いたいところです。(本当は1ヶ月以上の長期の養生期間が望ましいのですがそうはいかないでしょう)
    湿潤養生をしない場合と2週間的確な湿潤養生をした場合の強度・耐久性の差は大きいです。
    • 初期に比べて後半は徐々に進んで行きますので、2週間湿潤養生した場合と1ヶ月湿潤養生した場合の差は初期の養生のようには差が激しくありません。
      (ですので、現在は工期的・工程的に難しい場合が多いですが、できれば2週間、最低でも1週間は行いたいところです。)


  • 現在は空気養生のみの現場が多いと思います。特に住宅の基礎などは各工程をギリギリの期間で段取りしている場合が殆どで、十分な湿潤養生をしている現場はなかなか見当たりません。
    • 金物のリンクでも述べていますが、現在の物事を急がす風潮は企業側だけでなく、お施主さん・ユーザー(消費者全体)にも責任があるでしょう。社会全体が物造りへの理解がなくなってきています。
      『不況の世の中ほど企業側(現金商売とは違う、いわゆる「掛商売」の企業・会社)は、早め早めにお金を動かす必要に迫られるという切実な現実もあります。』

  • 以前、古い家屋の解体工事で鉄筋の入っていない布基礎をユンボで打撃を加え解体していた現場があったのですが、鉄筋の入っていないコンクリートのみの布基礎であったにも拘らず、他の解体工事の現場で見た通常の鉄筋の入った布基礎よりはるかに丈夫に思えて驚いた経験があります。
    • 砕けた部分を拾い、状態を見てみると、粗骨材が多く含まれ、骨材があまり分離していない密実なコンクリートでした。
      たぶん、この基礎を造った当時の職人さんは手間を掛け、コンクリート造りの基本を怠らなかったのでしょう。


  • このように基本を守り手間を掛けたコンクリートは、時に鉄筋の入ったコンクリートより丈夫になる例もあります。
    • ただ、ワーカビリティーはやはり軽視できません。
      作業ミスが起こらないよう、作業性を損なわない範囲でできる限り強度が出るように適切な配合・調合を心掛けなければなりません。

  • 上記に記した通り、鉄筋コンクリートの構造物を造る作業は、作業に関わる現場監督・土木、左官職人・生コン工場(生コン車オペ含む)・ポンプ車作業員・鉄筋工・型枠大工・等の事前の入念な打ち合わせ・協議、及び全ての作業員のコンクリートの特質に対する理解の浸透、及び当日の各作業員の連携と的確な作業が不可欠であり、それを怠ると良質な鉄筋コンクリートの構造物の形成ができません。
  • 形のなかったものを多くの人員が関わり造りだして行くコンクリート工事は、このように大変難しく、施工会社・職人・施工方法、及び僅かなミスなどから品質の差が大きく異なってしまう事が多分にあり、「RC造の特徴」のリンクで記したように、技術的及び工程管理と協議不足による不備からくる危険と難しさのある、熟慮しなければならない工法です。
  • ですが、確かな作業工程により造られた強固かつ密実な表面が綺麗な鉄筋コンクリートはかなりの耐久性があり、中・大規模な建物や公共的な建造物としての活躍の場もありますし、独特の魅力的なテクスチャーをかもしだしてくれます。




※注約

注1 ジャンカ

  • コンクリートの不良部分で、生コンがよく行き渡らず骨材の分離・セメントペーストの空隙などができたところ。

注2 全結束

  • 鉄筋は結束線というなまし鉄線で結束を行いますが、状況により主要部分だけ結束するやり方も行われています。全結束はその名の通り全ての交差部を結束することです。
    当然強固になり、部分的あるいは全体的な揺れ・垂れによる骨材・セメントペースト等の不均等やかぶり不足を防止します。

注3 コールドジョイント

  • コンクリートの打ち継ぎ部分で、レイタンスの除去や湿潤作業が適切に行われておらず、硬化後に密着不良をおこした接合部分。

注4 バイブレーター

  • コンクリートを振動により型枠の隅々まで行き渡せるよう、細長くややフレキシブルな特徴を持った振動機。

注5 どん突き

  • コンクリートや、あるいは地盤などを突き固めるために、作業員が手に持って上下に振って突く、堅木を切って作った頭部や平角材を使った頭部、あるいはコンパネなどを利用し、正角形や長方形の枠状に作った頭部に取っ手を取り付けた道具。一般的には「タコ」と呼ばれています。

注6 シート養生

  • 壁や布基礎などの部分は型枠撤去後に十分な散水をし、薄手のビニールシートなどで被い、破れや風での接がれ防止のために、さらにブルーシートなどで被うのがよいでしょう。

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