筋交い
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■耐力壁
- 建物は壁の耐力を保つことによって、地震・風力等の揺れから建物の倒壊を防ごうとする考えで多くの建物が建てられています。
- 木造の在来工法では筋交いが用いられていて、構造物が倒れないようにしています。
この筋交いなどで補強し、揺れに耐える壁の部分の事を耐力壁といいますが、最近では筋交いと構造用合板、あるいはダイライト(メーカーの商品名)と呼ばれる面材を使って二重に強度を増す工法も取り入れられています。
強くはなりますが、このような面材は雨・湿気などに弱い欠点があります。
- メーカーでは、ダイライトの「面材のみ」で耐力を持たす工法も行っているようですが、はなはだ疑問です。
ダイライトは水平方向にはある程度耐力を保つでしょうが、手で叩いただけで簡単に割れます。つまり垂直方向には弱い。
ましてや、もし水気が浸入してしまったら壁耐力は急激に低下するでしょう。
あのような割れやすく、湿気に弱い素材の「面材だけ」で耐力を保とうとする感覚・感性は、とてもじゃないが賛成できるものではありません。
- 壁(耐力壁)の強度で考えると、筋交い+構造用合板がより強い力を発揮できます。
ですが、構造用合板はベニヤを接着剤で固めたものであり、あまり多用するのは出来たら避けたいところです。
柱のサイズを1サイズアップするのも一つの方法ですが、予算の関係もありますし思案するところです。
- 筋交いのサイズは1寸×3寸(約30×90)、あるいは1寸5分×3寸(約45×90)が一般的なサイズですが、もう少し太い、1寸5分×3寸5分(約45×105)のサイズにすることをおすすめします。
重要なところは、やはりしっかりした材を取り入れたいものです。- 最近は、ダンパーを使用したものや、特殊な金物を使用したものなど、メーカーも新たな技術・アイデア・工夫で、様々な製品を開発しているようです。
又、アイデアコンペなどでメーカーだけでなく、工務店も多種多様なアイデアを出し合い、実験も重ねられています。
- 最近は、ダンパーを使用したものや、特殊な金物を使用したものなど、メーカーも新たな技術・アイデア・工夫で、様々な製品を開発しているようです。
- 耐力壁は桁方向・妻方向(梁方向)にバランスよく配置しなければなりませんが、家の四隅には必ず入れるようにすることが肝要ですし、桁などの継ぎ手の部分は、できれば筋交いを避ける、あるいは補強しなければならないところです。
又、入り隅などは、造りによっては建物が弱くなり易いところですので、筋交い・耐力壁だけのことでなく、桁・梁の組み方・部材の持って行き方(使い方)をよく検討しなければなりません。
- 水平の剛性として水平構面も考慮しなければなりません。
耐力壁と床の剛性は密接な関係があります。
耐力壁がきちんとした効力を発揮するためには、床面に必要以上の変形が起きないようにし、均等に抵抗できるような配慮も必要です。
※補足:
- ここ数年ダイライト等の面材も初期の頃より強化され強くなってきたように思います。
メーカーも大きな会社ですから様々な改良・研究を行っているようですね。
ただ、やはり面材を使うにしても筋交いの軸組と併用することをおすすめします。
- また、面材が採用されるようになった当初に比べて、そういうもの以外のあらゆる部分の補強が強化され、総合的に強くなったことが、さらに面材等が有効に働くよい作用を生んでいるように思います。
- なお、筋交いのサイズを太いサイズのものにした場合、柱等の接合部にその分負担が掛かることになります。(「筋交い その3」を参照してください)
物に合った材料の選択、寸法の算定、適材適所の考えは、筋交い・柱等に限らず、すべてのもので常に考えを巡らせなければなりません。
■筋交いの向き、方向
- なお、隅角の筋交いで仮にシングルの場合は、二階建ての場合は内転び。平屋建ての場合は外転びが基本です。
ご興味のある方は注意深く見てみてください。ほとんどの木造家屋・在来工法の家はそうなっているはずです。
- 理由としては、二階建の場合、外転びとなっていると、通し柱の中央に負担がかかることがひとつ挙げられます。
(胴差しの欠き込み部分に負担が掛かる)
また、屋根垂木を仮に筋交い代わりと仮定して考えた場合に、すべてが逆方向となりますので、バランスがよいからと伝え聞きました。
- ただしこの場合、平屋建てでは外転びとなるので隅柱の引き抜きは強くなってしまいます。
この筋交い方向に関しては、様々な考え方があるようですが、特に屋根材が瓦の場合は荷重がかかりますので、ある程度それも相殺されるように思います。
- 古い大工さんがそうしているのは、上記のこと以外に瓦葺きの概念もあるからではないでしょうか。(プラス家屋の規模、構造材の堅牢さ等その他)
- 風圧力がかなり懸念されるような形の平屋建てで、且つ、カラーベストやガルバ等の軽い屋根葺き材の場合は、あえて内転びを考える設計者もいるようです。
しかし、その考えも桁行き方向の長さ・妻側方向の長さ等、つまり、家の大きさ規模、構造材等その他も色々と考慮しての総合的判断となるでしょう。
(なお、近年は壁量がもっと多くなる(多い)傾向にあります。また、上の方にも記述してありますが、筋交いはバランスよく配置することが肝要です。)
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