マイホーム成功ナビ!全国の工務店・職人さん・建築士(建築家)検索サイト

設計契約に契約書は必要か?

FrontPage

設計契約に契約書は必要か?

設計契約に契約書は「必ず」必要なのでしょうか。


建築に限らないのですが、よく「口約束だけで契約書は交わしていないから」という意見があります。

  • 普段の社会生活においての様々な契約は、契約自由の原則から、多くの場合双方の合意の下にされます。
  • 「贈与、売買、交換、賃貸借、雇用(雇傭)、請負、委任、組合、終身定期金、和解」は、諾成契約となります。
  • 他の多くのことでもそうですが、請負や委任などの契約の場合も諾成契約が原則として双方の合意があれば口約束でも契約が成立します
  • スーパーで買い物をする時も、ガソリンスタンドで車の燃料を入れる時も、バス会社のバスや鉄道会社の電車に乗るときも、契約書が作成されていなくとも消費者はきちんと支払いをしています。
    契約書を交わさなくとも契約は結ばれており、物の使用や仕事の対価として受けるべき金銭その他の果実は、スーパーや鉄道会社等と同じく、当然のこととして設計事務所も受け取る権利があります。
  • 設計契約は準委任契約です(委任契約に準ずる)。この契約はその行為の過程において責任を問われると同時に、「その行為の過程において」報酬を受け取る効力が発生する契約です。
  • 医師の医療行為(契約)は、同じく準委任契約だと言われています。
    診察を受けた医師の診断や、あるいはその病院の在り方や患者への対応等に疑問があろうとも、この医者・病院では駄目だと思って、後で他の病院・医師のところに行ってあらたに診察してもらったとしても、その前に行った医者・病院の診察料金は何の疑問も持たずに(不満があれど)ほとんどの方がすぐにその場で払っています。
  • 建築士(管理建築士等)は、お施主さんへ業務受託契約に関して書面や重要事項の説明等の書面交付は義務規定となっていますが、契約書作成及び交付の義務はありません。
    (もちろん、それをするのが望ましいのは言うまでもありません)
  • 最初に記述した契約自由の原則というものがあり、人が社会生活を営むに際し結ぶ契約は公の秩序や強行法規に反しない限り、当事者が自由に締結できる「契約内容決定の自由」という基本原則です。
    また、それは「相手方の選択の自由」や、契約申込み及び承諾には、その旨の意思表示について何らの特別の方式を必要としないことを原則とすること「契約の方式の自由」をも意味します。
  • 契約はあくまでも諾成契約が基本原則となるものであり、設計業務の契約書の作成及び交付は判例のお墨付きはもらっていないはずです。
  • 「方法自由の原則の例外」もありますが、たとえば建築士法24条の8に基づく委託者に交付する書面等の規定は民法の基本原則に優先するものではありません。(方法自由の原則の例外にはあたらない)

  • なお、契約の成立には一定の型式が必要とされる「要式契約」というものがありますが、これは保証契約などのことで、書面でなければ効力は発生しません。

  • それと、勘違いされると困りますが、契約が成立しているということと、契約を立証できることとは別問題です。
    契約の成立に関することと、契約書類・契約書の「必要性」はまた別問題ですので、誤解なされないように。



※(注)なお、改正建築士法が平成27年6月25日から施行され、延べ床面積300㎡を超える建築物の設計業務については、書面による契約が義務化されました。

  • よって、300㎡を超える建築物には必ず書面による契約書が必要となったということです。
  • 契約の基本は、上記で記述している通り、くどいようですがあくまでも諾成契約基本中の基本となるものです。
  • つまり、大きさの限定はありますが、設計契約に関しては特別な法が施行されたということです。
  • 社会秩序のあらゆる面において、総合的な判断として皆の社会生活の営みが有益、且つ、円滑に行われるよう定められている基本原則を覆してでも施行されたこの事実を、皆がもっともっと注視・重要視しなければなりません。
  • この法が施行された重要性をメディアをはじめとしてもっと皆が議論の対象としなければならない。重要な決め事が何時の間にかに決められ施行されています。
  • その是非は簡単に決められるものではなく、もっと多くの議論が必要なはずです。
  • 通常の基本原則とは異なる例外的な法が「決められる・施行される」という重要性がまったく認識されていないし議論されていない。
  • 医師や弁護士等の上位資格の者達にすらも施行されていないこの法が(実質的に)建築士に対し、施行・決められたという事実をもっと皆が考えなければならないのではないでしょうか?
    • 上位資格であるということは、それに比例して、非常に責任の重い仕事・職種、且つ、社会的重要度・社会的影響度が非常に高い仕事・職種であるということであり、そのような資格を必要とされる職種ですら施行されていない法なのです。

      設計(建築士)は、建物という大きな財産となるもの、金額の高いものに係わる行為・仕事であるとはいえ、国民の健康的な生活を確保することを任務とする病気や命に係わる医師の仕事や、法令及び法律事務に精通し、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする弁護士等の仕事(また、企業の民事事件等だと数億・数十億、あるいはそれ以上の金額に携わることにもなる仕事でもあります)などの、とても社会的影響度・重要度の高い仕事・職業・資格ですらも施行されていない事実をもっと考えるべきです。

      「それらよりも重要である仕事・資格という判断であるからこその施行なのか?」と、(漠然と)捉えるのが、普通の人が考える極自然な疑問のひとつであろうし、施行されるいくつかの理由の中のひとつであると考えられるはずです。
      ですが、上記の疑問は皮肉でしかない言葉であり、実際には全くの逆ではないですか。
      特に、裁判官・検察官・弁護士の法曹三者等、並びに官僚とそれに準ずる方々のエリート達はそうは微塵にも思っていないはずです。


      (なお、契約というものの主旨から考えて、職種や仕事内容の重要度等は、あくまでも、「ひとつの」指針でしかありません。
      上記でそれを例題に挙げたからといって、それだけで物事を考えるのは浅はかであり、あらゆる角度から決めて行かなければならないことです。 …一応念のため)


      さらに尚、
      契約自由の原則というのは、私的自治の原則であり、自分の係わる私的な権利・義務を、その意思によって自由に決定し規律することが最も妥当であるとする原則であって、契約自由の原則では、契約を当事者の自由にまかせ、司法や国家はこれに干渉してはならないとする考え方であります。


      従って、上記で挙げた職種や資格、仕事内容の重要度等は、この原則の主旨において実はそれほどの重要性はないともいえるのかもしれません。
      ただ、この社会が少しずつ変化して行く過程において、弱者保護としての国等の介入も今まで以上にされてくるようにもなりました。
      その変化の中での、職種の内容の重要度等は、当然加味されて来るであろうと考えます。
  • また、この複雑な社会では、自由対等の関係とはなり得ない場合等も生じます。法等は基本原則に付帯しながら様々な決まり事があり、社会秩序を保つため、あらゆる法律で制約がなされ保護されています。


    基本原則の重大な意義も、それ以外の規則等も、各々がきちんと理解を深めないことには、間違った解釈となってしまいます。




  • 契約自由の原則は、繰り返すことになりますが上記で少し触れた「私的自治の原則」に含まれる原則であり、その意味とその重要性等も、契約自由の原則を語る上で、まず思慮するべきことであります。
  • また、当事者の自由意思に任せておくべきでない「契約自由の限界」も確かに認められるものでもあるでしょう。けれども、職種の内容に限って言えば、他の職種の内容と比べ、設計契約でのその限界に説得力が見出せません。


  • 多くの契約の基本原則が「なぜ」諾成契約となっているのか。
    この法に関する皆の知識の浸透と理解、「そうなっていること」の意味と、そのことの重要性の認識、そして更なる研鑽が必要であるし、その理解と認識と研鑽に則り、設計契約には例外的な法の施行が本当に必要であるのか… 更なる熟慮が必要とされます。
  • 集団的自衛権のような国民皆の関心が非常に高いものとは違うのかもしれませんが、少なくとも建設・建築業界はもっと関心を寄せるべきです。
  • 重要な法等の決め事は、「議論し尽くすこと」が何よりも重要な事なのです。


■合わせて知りたい 当サイトの他の記事

●設計は請負なのか?

●「耐震偽装事件」 二審は県の過失を認めず

●「熊本地震 応急危険度判定について」

●公共工事の入札


powered by Quick Homepage Maker 4.77
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional

カンジダ